川田絢音、その6

「半島が/レールが/炸裂した枝々が/乳房が/網が/白い皿が/翔ぶ!」(空の時間・6)


さて、今回は、この詩の様々な変種をいくつか提示することによって、分析に代えさせていただきます。

「四次元ポケットの設計図が/リトマス試験紙が/宝の地図が/油絵を描いた水彩画が/翔ぶ!」
これは、ビルの屋上でいろんな紙を広げて、やるべきことの優先順位を考えていた偉大な人が、突風に煽られたときに作られた詩だと言われています。

「あいのフライパンが/蹴りが/ほうちょうが/翔ぶ!」
これは、ファイナルファンタジー4のヤンとヤンの奥さんが夫婦喧嘩をしたときに作られた詩だと言われています。

チョコボキックが/ふうましゅりけんが/バハムートの吐くメガフレアが/けむりだまが/翔ぶ!」
これは、同じくファイナルファンタジー4のエッジとリディアが痴話喧嘩をしたときに作られた詩だと言われています。

ゴダール映画のDVDが/みすず書房心理学書が/新鮮な女たちが/サンリオSF文庫が/ダイソーに/並ぶ!」
これは、100円ショップにあらゆる物が並んで欲しいと思っている僕の物欲が促した願望に基づいて作られた詩だと言われています。もはや、「翔ぶ!」ですらなくなっています。

今回は「ファイナルファンタジー4」をプレイしたことがない人には、まったく分からない内容になってしまいました。深くお詫びを申し上げます。