即席陥穽作成術

およそ、人が書きうる手紙は、ラブレターか、遺書しかない。
人が吐きうる言葉は、命乞いか、脅迫しかない。
では、この日記は、なにか。求愛か、辞世の句か、生の絶叫か、全面的同意を求めるための脅しか。
思いつきの断言は、すぐに論理の破綻を呼ぶから、今すぐこの場から消え去りたい。
だが、俺は酔っ払いなので、続けてしまうわけだ。
で、毎度お馴染みシオラン
「告白と呪詛」の中に、
「けさ、ある天文学者が、宇宙には何十億個かの太陽がある、と喋っていた。聴いたあと、私は洗面をやめてしまった。いまさら顔なんぞ洗っていても仕方がないではないか。」
って断章があって、なんてチャーミングなジジイなんだろう!と思うわけなんだけど、どう?(脅迫)