猫バスの雄と雌、連結作業中

右腹部の鈍痛、全身の倦怠感、食欲の減退、等々、肝臓がやられてる感じの症状に見舞われて、寝床をうーうー言いながら転げまわっているうちに死にたくなってきたので、断酒を決行。約十年の、毎日焼酎一リットル分ほどの連続的飲酒のツケが、回ってきたようだった。断酒の上に夏バテで、何の気力も湧かない。僕の中のEEJUMP的な部分だけが、頭の中で、虚しく飛んだり跳ねたり、電柱によじ登ったり裸エプロンになったりしているだけで、身体が動かない。
水面がすぐに急上昇する湿気取りが各所に配置されている、すぐ黴臭くなる部屋、適当に放り込んだ書物の山が詰まっている段ボールが所狭しと並んでいる部屋、さっき、どうしても芥川龍之介の「或る阿呆の一生」を読みたくなって、でも、探したくねえなあ、と思いつつ適当に段ボールのひとつをあけてみると、一発で発見できて、今日はツイているぞ、と感じた。パラパラ読んでいるうちに、うつらうつらし始めて、喘息で寝込んでいた小学生の頃を思い出していた。
NHK教育では、さんすうすいすいが、くらし発見が、たんけんぼくのまちが、いってみようやってみようがやっていて、障子を透かす陽射しが柔らかなオレンジ色に変わる頃には、近所の同級生のSちゃんとKちゃんが、学級だよりと来月の給食の献立表とコッペパンをもってきてくれるのだ。

僕はただ、惰性と、酒と、薄汚いちょっとした希望に、生かされているだけだ。それなのに、酒が、欠けてしまった。
落ち込むな。たちあがれ。たちあがれ日本。座り込め。座り込め大仏。
今日は、となりのトトロがやるぞ!猫バスの肉球が大量のスタンプを宙に捺していくぞ!さつきとメイちゃんに会えるぞ(薄汚いちょっとした希望)!